「少子化」のもとは「少母化」 社会の在り方も変わってほしい
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Q. 子どもを産む環境はどう変わってきていますか。
さまざまな世代の女性の悩みにできる限り寄り添ってきましたが、社会にも変容してほしいと感じますね。 「少子化」とよく言われますが、「少母化」も進んでいるわけです。 子どもを産む母親の数自体が減っている。 2019年の出生数は約86万人に急減しました。 2万人ずつ減ってきたけれど、今や4万人ずつ減り始めています。 このままいくと2050年の出生数は50万、それに対して100歳以上が53万人。 だから「少子化」「少母化」は絶対に阻止しなければならないのです。 いろいろな考えがあるかもしれませんが、「結婚して子どもを産むという“あたりまえ”」「女は嫁になるという“あたりまえ”」を変えていかないと、母親になる人はどんどん減ってしまいますよね。
少子化・少母化は家族の形を変えます。 そして、家族の形が変われば社会の形、国の形が変わっていくのです。社会が多様性を受け入れ、変容していくことで 母親の数が増え、子どもを産み育てる環境も改善されていくと思います。
また、変容という点では「乳がん検診の受診率」をもっともっと上げていきたいですね。 海外での検査率が80%といわれるなか、日本の乳がん検診率は30〜40%。今や9人に1人の割合です。 乳がんで亡くなる方は非常に減っているので、乳がん検診や子宮がん検診はぜひ受けていただきたいです。「いつ、どんな検査をしたのか」私がしつこく聞くので(笑)、当院での検査率は70~80%になっています。日本人はデンスブレストとも呼ばれる高濃度乳房が多いので、マンモグラフィ検査だけでなく、エコー検査も受診してほしいですね。
それぞれの世代に合った、乳房のタイプに合った検診があります。自治体や組合の提供してくれる検診では十分ではないのです。 自分の身体は、自分の“おっぱい”は自分で守る!という気持ちを。
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