「また来よう!」を積み重ねて自分で扉を開けよう
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Q. 今、女性はどんな悩みに直面していますか。
出産1年以内に母親が亡くなる死因の1位は、実は自殺なんですね。 爆弾も飛んでこない、飢餓でもない、そんな中で死ななくてはならない理由って……。
30・40代は母親役、妻役、嫁役を担い、がんじがらめで自分を出せず、育児と介護のためにやりたいことができずにいる。そのストレスが症状となって体調不良を起こしてしまう……。
高齢者も仕事や家庭がなくなってしまうと 自分の存在を認めてくれる人、自分の居場所が分からなくなってすごく寂しいものなんです。 症状がなくても診療所に来る高齢者は、「先生の顔を見て元気になった」と言って帰っていきます。 自分を覚えてくれている場所に行き、 自分の存在を認めてもらうことが人には必要なんですよね。
どの世代にとっても「元気に生き抜くこと」——これがとても大切。
だから、情報や社会に流されて自分を見失わずに、正しい情報を得て自分をきちんとコントロールしていってほしいのです。
高齢者には老後のお金、筋肉、近所の遊び友だちの「金・筋・近」が大切だといわれていますが、 誰にとっても人との「つながり」は必要ですよね。 そんな思いもあって、2018年、必要な医療・予防医学を発信し、ゆるやかなつながりをつくる場所として「井上レディースクリニック」の横に「コミュニティビル安庵」を完成させました。
「コミュニティビル安庵」内にある「街カフェCOCOON」にはピアノを置き、生演奏の他、音楽講師が正しい歌い方を教えたりもしています。医療ではない“コミュニティ”をここで育んでいます。 「井上レディースクリニック」と「コミュニティビル安庵」の2つの場所で、医療、コミュニティ、ボランティア活動を行い、「産まれる現場から始めるコミュニティデザイン」をしていきたいのです。
――女性の診療所だったら「井上レディースクリニック」に行けばいいよね。 ――楽しみたいから「コミュニティビル安庵」に行こう。 また食べに行ってみよう、また講演会に行ってみよう、漢方くれるからまた診てもらおう……。
「考え方を変えてほしい」とまでは思っていません。 「元気をもらった」まで言わなくてもいい。 「また来よう」でいいのです。扉を開けるのは自分しかできません。私たちはそれをサポートし、寄り添うだけです。
いろいろあっても生きていける――そう感じて一人でも多くの人が扉を開けてくれたらうれしいです。
「コミュニティビル安庵」2階にあるカフェです。
[場所] 東京都立川市富士見町1丁目26-10
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